あらすじ
わたしたちは、知らないうちに誰かを救っている――。川沿いを散歩する、卵焼きを作る、ココアを頼む、ネイルを落とし忘れる……。わたしたちが起こしたなにげない出来事が繋がっていき、最後はひとりの命を救う。小さな喫茶店「マーブル・カフェ」の一杯のココアから始まる12編の連作短編集。読み終わった後、あなたの心も救われるやさしい物語です。
引用:Amazon
感想
青山美智子さんの作品は最高です。
読むたびに思います。やっぱり青山美智子さんの作品好きだわーって。
心があったまるんですよ。
読後感がすごく気持ちよくて、読んでて癒される作品です。
青山美智子さんの作品は「お探し物は図書室まで」や「赤と青とエスキース」という最近の2冊しか読んだことなくて。昔の作品も読んでみよーって思って読んでみたんですが、最高でした。
マーブルカフェをとりまく人たちの繋がり
マーブルカフェをとりまく人たちの繋がりを描いているんです。
最初はマーブルカフェの店長のお話。次はマーブルカフェにいたお客さんの話。その次はそのお客さんの娘の幼稚園の先生の話。とどんどん数珠つなぎのように物語が広がっていくんです。
わたしは3話の「のびゆくわれら」という幼稚園の先生のお話にウルウルきちゃいました。
幼稚園の先生である、えな先生は同窓会のためにネイルを塗っていて、翌日ネイルを落とし忘れてしまったんです。
そうしたら、萌香ちゃんが「えな先生、おててキレイ」と褒めてくれたんですが、その幼稚園はネイル禁止の規則はないけれど、暗黙のルールとして禁止されてたんです。
でも、ネイルをしたままなことがバレてしまい、ベテランの泰子先生に頭ごなしに怒られてしまうんです。萌香ちゃんのお母さんからクレームが入ったからと。
えな先生は言い返せなくて悔しくてマニキュアを落としながら、転職を考え始めるようになったんです。
それから1ヶ月後、萌香ちゃんが転園することになり、萌香ちゃんのお母さんからクレームの理由を教えてもらいました。
実は萌香ちゃんは爪噛みが激しくて、ひどい時は血が出るくらい噛んでいたと。
でも、萌香ちゃんは「えな先生の爪がキレイなピンクなんだよ」って言って、えな先生みたいな爪になりたいんだと。
心温まるエピソードには続きが・・・。
泰子先生が
「えな先生の手は、働き者の手だよねって。たくさん笑って、たくさん食べて、なんでも楽しくがんばっていると、えな先生みたいにきれいな爪になるよ。大人になってから、爪に色を塗ってオシャレしたいなと思ったとき、元気な爪だったら素敵だよって」
ってみんなの前で言ったそうなんです。
頭ごなしに叱ってきた先生とは思えない言動で!!え???ってなりました。
でも、泰子先生の話を聞くと、似たような経験をしてたんです。だからこそ厳しく言っていたようで。叱られた理由も説明されたら納得ができる。
ほんとうに青山美智子さんの作品って完全なる悪者っていないんですよね。なんというか‥安心してみていられる感じがあります。
また別の作品も買ってみようっと。
オススメしたい人
- 心が温まる作品が好きな人
- 連作短編集が好きな人